私は呼吸が整うと、さっきの赤ずきんのことを話した。


「やっぱり、雪兎は何か隠している。アリス、さっきはごめん。責めたりして。」

「もう、いいよ。」

「怒るなよ…。」

「怒ってない。」


少しイライラするけど、あくまで怒ってないと主張した。


「ならいいんだけど…。」


私達は雪兎のことで少し話し合いをして、雪兎が何か呪いをとく鍵を握っていると考えた。


そのあと、カイが夕ごはんを作ってくれた。


それを食べたあと、私は疲れていたため、すぐに部屋に入った。



「はあ…。今日は散々だったなぁ…。雪兎は何か秘密を知っているみたいだし…。雪兎を問い詰めたら、作者が誰かとか、呪いをとく方法とかを教えてくれるかもしれない。」

コンコン


「はーい。」

「入るよ。」


悠太だ。


「どうしたの?」

「いやぁ。何か、まだ怒っているような気がして…。」

「だから、もう怒ってないって。」

「うん。そのようだから良かった。」

「ねえ、やっぱり、雪兎は何か隠しているよね?」

「うん。俺はそう思う。明日、問いただしてみる。」
「でも、あまり強く言わないでよ?雪兎がかわいそうだもん。」

「なあ…。」

「ん?」

「お前さ、雪兎雪兎言うけど、雪兎のことをどう思っているんだよ?」

「え?どうって…。仲間だけど…。あ!まさか、悠太、ヤキモチ焼いてんの?!」

「はあ?違ぇよ!」

「悠太、かわいー!」

「…っ。」


その瞬間、悠太がぐいっと私を引っ張った。
そして、私の唇に何かが触れた。


「…?!」


悠太が突然キスをしたのだ。

「ちょっ…!な、な、何?いきなり!」

「別に~♪」


悠太はそう言うと、部屋から出ていった。



「本当に、何なのよ…。こんなところでファーストキス何て…。」


思い返すと顔が熱くなっていくのが自分でもわかった。


私は誤魔化すように、すぐに眠りについた。