紅ずきん



私は今はまだこの時計のことは皆に言わないでおくことにした。


雪兎が帰ってきたら問い詰めるつもりだ。



私は席に座り、皆の話し合いを聞いていた。


「学校の歴代の卒業生が書かれている書類とかがあればな…。あと、ネットとか。俺達の頭だけじゃどうにもならねぇよ。」

「ああ…。俺ら帰れるかな…。」

「大丈夫っすよ。というか、絶対に帰る方法を見つけないとダメっすよ。」


皆、完全に迷宮入りだ。
何かちょっとしたヒントでもいいからないかな…?


私は「赤ずきん」を開いてペラペラとページをテキトーにめくっていた。


すると、最後のページに千切られたような跡があることに気づいた。


このページが最後じゃない。


『赤ずきんの怒りは治まることはなく、町は今でも赤ずきんの恐怖を感じながら生きている。

赤ずきんはもう、誰にも止められない。』


最後のページがこれじゃないとしたら、この言葉にまだ続きがあるはず。


私は何度も何度も最後のページを読み返した。


すると、最後の言葉の隣に、うっすらと文字があることに気づいた。


その文字は、一度鉛筆で書いたけど、消したらしい。
筆圧の跡を私は目を凝らして見た。


そして、やっと何が書いてあるかわかった。


『赤ずきんはもう、誰にも止められない。


と町の人は思っていた。』


その言葉は続きがあるのを確信させるような言葉だった。


しかも、この本は1ページだけじゃなく、2、3ページほど千切られたような跡があった。


きっと、この話の本当のラストがわかれば、帰る方法がわかるはず!


「ねえ!皆見て!ここ、千切られた跡がある!」


私は今私が推測したことを皆に話した。


「アリス!スゴいよ!これはすごいヒントだ!」

「この言葉から先を推測することもできるぞ!」



少し希望が見えてきた。
この千切られたページがどこにあるかもわかれば、出口はぐんと近くなる!


そのときだった。


チリン…



ん?この音は、お守り?


お守りは確か、家に置いたはず…


何で…?
私は少し不思議に思ったけど、服のポケットに入れておいた。