紅ずきん



「ああ。それは推測できる。ただ、どういう形で関係していたか。つまり、先生か、生徒か、保護者か。まあ、先生か生徒の可能性が極めて高いが。」

私達で考えても何もわからない。


私達は刑事でも探偵でもない。

全て推測でしかない。


「あー!考えてたら疲れた!ご飯食おうぜ!」


悠太が突然言った。
悠太はどうやらとても疲れたらしい。


顔を見たらすぐにわかる。


「じゃあ、作るか!」

「そういえば、ご飯って現実と同じ何ですか?」

「うん。全部この世界にもあるから大丈夫だよ。あ、そういえば、アリスの料理ってめっちゃうまいんだよな!」

「え…?」

「アリス、作って。」


何故カイが私が料理が得意と知っているのかわからなかった。
戸惑ったが、悠太が強引にキッチンに連れていったから、悠太が手伝うという条件付きで作ることにした。


いきなり知らない世界で晩ごはんを作るなんてね…。


変な気分だよ…。


でも、何故か怖くない。異世界に来てしまったのに、いつもと変わらない生活ができている。


もしかすると、悠太がいるからかもしれない。


幼馴染みでいつも隣にいた悠太がいるというのが一番の支えだ。


私はそんなことを思っていながら、悠太をこきつかった。

簡単だけど面倒くさい作業は全て悠太にさせた。


そして、できた。


「わー!カレーだ!いい香り!」

ハルは物凄い目を輝かせて言った。


私は雪兎を呼びに行った。


「雪兎?大丈夫?ご飯できたけど、一緒に食べよ?」

すると、しばらくすると、ゆっくりと扉が開いた。


「ごめん、ごめん。全然大丈夫!ちょっと考え事してただけだから!あれ?カレー?」

「うん!美味しいか自信はないけど、食べて!」


雪兎が思ったより元気で安心した。


そして、みんな揃って私の手作りカレーを食べた。


「うまっ!やっぱ、アリスの料理はうまいや!」

「すごいっすね。いつも料理してるんすか?」

「うん。朝ごはんはいつも自分で作るの。」

「さすが!」


みんなそれぞれ面白くて、楽しかった。


そのときだった。



コンコン、コンコン


ドアを叩く音が聞こえた。

「誰か!誰か、助けてくれ!お願いだ!」


かすかにそんな声もきこえた。