「え……」 言うが早いか、もう大神先輩の姿は見えない。 あぁ、どうしよう。愛梨に言っておかないと。 「妃奈~」 そう思った瞬間、愛梨の声が響く。 「奥にいる~」 返事をして、荷物をまとめる。といっても今日は特に何もせずに寝たから、大した荷物は無いけど。 「あ。いた~ へぇ、ここ結構広いじゃん」 「うん よし、じゃあ行こっか」 大神先輩に新しくもらったメモをポケットに入れ、本棚の間から顔を出した愛梨の元へ走る。 歩き始めて、愛梨が思い出したように言った。