ガタンガタンッ


「ふぁ……」


思わず欠伸をかいて、電車の窓から見える街を眺める。


……学校、か。


いつも同じことを呟いている気がするが、気にしない。



「妃奈〜」


呼ばれた方を見ると、私がいる所と反対側の車両につながるドアから愛梨が歩いて来た。


「愛梨、おはよう」


また出かけたあくびを噛み殺し、手を振りながら答える。


「ほんと、妃奈ってばいつも違う車両に乗るんだから……

探すのが大変なんだけど」


ジトーという目で見つめられ、思わずひるんでしまう。


……いつも同じ車両に乗る必要なんて、ないじゃん。


「ほーら、そんな顔しないのー
明日こそは今日と同じ車両に乗ってよね」


愛梨と学校に行くようになり、そろそろ2週間。
毎日同じ会話をしている。