「伊達メガネ、でしょ?

メガネしてないことに気づかないなんて、伊達メガネだからでしょ?

なんでそんな物で顔隠してるのかは知らないけど、
せっかく可愛い顔してるんだから勿体無いよ」


愛梨は、亜里沙に似てる。
顔が、じゃなくて、性格が。

あっさりしてて、思ったことを何でも言う。

……懐かしいな、この感じ。
いつも、こんなだったな……


昔のことを思い出して少しうるっときた私を見て、愛梨は焦り出す。


「え!?ちょ、妃奈!?

なにどうしたの?


……ちょっと貸して」


「え?」


「いいから、携帯」


……


黙って携帯を出す私に愛梨は頷いて、しばらく私の携帯をいじりだす。


「はい、私の番号入れといたから

いつでも連絡してね」


「え、でも……」


「いーのいーの」