「……で……を……ます」 遠くの方で聞こえる声にゆっくりと目を開ける。 周囲を見回すとズラッと並んだパイプ椅子。 座っている人はほぼいない。 「………」 どうやらあたしは入学式中に寝てしまったようで、入学式が終われば各自解散のここ、晴麟ーセイリンー学園の連中は早々に講堂を飛び出していったようだ。 「…帰ろ」 仕事も溜まっているしとりあえず帰るために立ち上がる。 鞄は教室なので仕方なく教室に戻って鞄を取り、バイクをとめてある学校近くのスーパーへ向かった。