「あの時…ごめん。」


「春樹くん…。思い出した?」


あの時俺は、また熱がぶり返してきて公園にはいけなかった。


それを知らない詩織は1人で俺を待ち続けて……。


「一番辛かったのは詩織なのに…。一番記憶を失いたかったのは…詩織…なのに…」


溢れてくる涙は、あの日のように簡単には止まらなかった。


そう、あの日詩織は誘拐された。