事務所へ行っても私の気持ちは晴れることがなかった。

「あれ?なんだか朱音ちゃん今日暗くないですか?」

「朱音ちゃん、今朝からあんな様子なんだよ。俺が学校に行ったときにはもうこうだった。」

奏多くん、気づいてたんだ。心配、してくれてたんだよね。申し訳ないな。

「朱音ちゃん、悩んでるなら話聞かせて?」

優しい。私の彼氏が奏多くんでよかったって改めて思う。今、すごく歌いたい。こういうときにいつも私のそばに歌がいてくれた…そうだ、歌!私には歌がある。