「…朱音、考えてきたか?」

「…いいえ。まだ。」

「朱音、スキャンダルが原因でこの世界を去った者、去らざるをえなかった者。この者たちにはある共通点がある。」

「共通点ですか…?」

「君は、歌も上手いし、見た目も目立つ。テレビの中でなら完璧だ。」

「そんなことないです。」

社長、褒めてくれてる。

「これは褒めてるわけではない。そういうヤツが去っていってるんだ。」

「え?」

それって、つまり、

「私が…消えるってことですか?」