仲間がひとりいなくなった教室では、血の匂い、それと汚物の匂いが充満していた。
吐き気をこらえられなかったのは、未央だけではないようだ。
それをいいことに、未央は胃の中の内容物をすべて吐き切ってしまった。
幸いこのおかしな世界では、食べることも飲むこともトイレに行くことも必要としなかったので、この先は気持ち悪くても吐かずにすむはず。
気を付けて吐いたため制服が汚れることはなかったが、机のかげに隠れた床の上に本体が居座っている。
そんなものがいたるところにあるので、この教室は頭がおかしくなってしまいそうなほどひどい状態だった。