「待ってよぉ……友達でしょぉ……」
紗希が床に這いつくばって、それでも友里の右足を離さない。
「友達なら離して! あんたが離せば、あたしは助かるの!」
「友里ぃ、友里ぃ」
見たくなかった、と未央は顔を伏せた。
あんなに意気投合して仲の良かった二人なのに。
絆、なんてものは存在しないのだと、改めて思い知らされた。
「だから振り返んなって言っただろ」
晋吾が吐き捨てる。
「ごめん……」
手を引かれたまま走る、
そして、廊下を左、右と二回曲がったとき、
『松井紗希様が捕まりました。残りの皆様は、教室にお集まりください』
ついに、放送が聞こえてしまった。


