「はい」 未央は慌てて立つ。 「読め。授業を聞いていたら、わかるだろ」 友里のことを見てぼーっとしていたから、授業なんて聞いていたはずがない。 きょろきょろと挙動不審な動きをとる未央を見て、 「……三十九ページ」 前に座る木村晋吾[キムラ シンゴ]が助け舟を出してくれた。 三十九……。 たった二ページめくるだけだが、あせっていてうまくできない。 仕方なく、未央は教科書を机に置いて丁寧にめくっていくことにした。