人の良い大翔に、昇を犠牲にするこの計画を話しては反対される、ということで大翔には何も言わずに未央たちは歩き出した。
しばらく歩いても、昇は見つからない。
「……ったく、あいつどこほっつき歩いてんのよ」
友里が忌々しげに呟く。
もし……もしもだけど、昇が見つかる前に”鬼”に遭遇してしまったらどうなるんだろう。
友里並みの速さの”鬼”から全員が逃げ切れる保証はない。
どちらかと言えば、誰かが捕まってしまう可能性の方が高いように思う。
どうか、そんなこと起こりませんように……。
願いながら歩いていた未央の耳に、
「うわっ!」
大翔の叫び声が聞こえた。
「逃げろ!」
大翔が叫びながら未央の前を通過していく。
もう一人、彩芽が通過したところで、未央は気づいた。
”鬼”が来たんだ……。


