「おい! こっちに来いよ!」 飛び出してきたのは、大翔。 挑発するように手を二、三発叩いた後、”鬼”を引き連れてそのまま校舎へと入って行った。 「怖かったよぉ~」 紗希がその場に座り込んで泣きじゃくる。 よほど怖かったのだろう。 いつも上目使い六十度の目からこぼれる涙は、止まらない。 「大丈夫、大丈夫」 その背中を、友里が優しくさすっていた。