何も知らなかった。
おばあちゃんもそんな話、1度もしたことなかった。


時代が違えば恋に自由がないのが当たり前なことだってあるんだ。
おばあちゃんは、会長の気持ちには気づいていたはず。
それにおばあちゃんも…。


だけどそれを口にしてはいけない時代だった。
自分の想いを押し殺してまでもおばあちゃんは会長の未来を大事にしたかったのかもしれない。


叶わない恋が、こうも切なくて純粋な想いを持つなんて知らなかった。