緊張する。
緊張しすぎて目が回りそう。

お父さん、壁を壊すなんて…、実際にその壁を目の前にしたら高すぎて厚すぎて、歯が立たないよ。


拓哉が住む大きな家のとある広間。
そこで机を囲むのは全部で6人。
左隣にいるのは拓哉で唯一安心できる存在。


だけど向かい側には拓哉のご両親、そして会長。


あと、私たち側の席に少し離れて座っている堺さんは敵か味方か。


押し潰されそう。
座ってる感覚すらなくなりそうなこの威圧感。
呼吸もしにくいこの張りつめた空気。
はやく楽になりたい。