しかしその時、携帯が音を出して震えだした。
「うわっ」
驚いて放り投げてしまった。
恐る恐る表示された名前を覗いてみると、拓哉と書かれている。
どうしよう。
今ここで電話に出ればまた繋がれる。
声が聞ける。
いや、駄目だよ。
ここで踏ん張らないと。
拓哉と会わないためにわざわざ実家に戻って来たんだ。
ここで揺らいでしまってら意味がない。
「姉ちゃーん、まじで飯食わねーの?
ってうわ、なんで真っ暗なんだよ」
「…っ!」
びっくりした。
入ってきたのは大学4年生の弟、圭。
なに勝手に入ってきてくれてんだ。
「携帯鳴ってんじゃん。
出なくていいの?」
圭が開いた扉から入ってくる光が眩しい。
「いいの。
ほっといて」
「…はいはい」
それ以上は何も言わずに出ていった。
いくらふざけた弟でも、姉の様子がおかしいことは察知できたらしい。
「うわっ」
驚いて放り投げてしまった。
恐る恐る表示された名前を覗いてみると、拓哉と書かれている。
どうしよう。
今ここで電話に出ればまた繋がれる。
声が聞ける。
いや、駄目だよ。
ここで踏ん張らないと。
拓哉と会わないためにわざわざ実家に戻って来たんだ。
ここで揺らいでしまってら意味がない。
「姉ちゃーん、まじで飯食わねーの?
ってうわ、なんで真っ暗なんだよ」
「…っ!」
びっくりした。
入ってきたのは大学4年生の弟、圭。
なに勝手に入ってきてくれてんだ。
「携帯鳴ってんじゃん。
出なくていいの?」
圭が開いた扉から入ってくる光が眩しい。
「いいの。
ほっといて」
「…はいはい」
それ以上は何も言わずに出ていった。
いくらふざけた弟でも、姉の様子がおかしいことは察知できたらしい。