真実の愛のカケラ

柚希は俺から逃げ切れると本気で思ってんのか?
こうなったらもう手段は選ばない。
利用できるものは何でも使ってやろう。


朝9時、このアパートの大家のもとへ押し掛ける。


「なにかね」


「すいません、朝早く。

私、あのアパートに住んでいる女性の働く会社の副社長をしております、能見といいます。
実は彼女、無断欠勤が続いておりまして…」


名刺を差し出しながら心配そうに言う。
少し話を盛ったけど嘘ではない。
案の定、大家のおじいさんは鍵を持ってくるからと言ってくれた。


「あぁ、宮野さんか。
いつも明るい子じゃよな。

無断欠勤するような子には見えないがのぉ」


「そうなんですよ。
だから皆心配していて」


嘘じゃない、と自分に言い聞かせる。
実際、調査部の2人は心配しているみたいだったし。
それに俺だって。


「開いたよ」


扉が開かれ、中へと入る。
カーテンは閉められていて薄暗い。
しかし…。


廊下を進んだところで俺は立ち尽くした。