「課長…私…が課長の傷、
治してあげるから…笑って…。」
抱きしめられた腕の中。
「つぐみ…ありがとうな。」
「なぁ、ところで、
プライベートなんだから、
名前呼べよ。」
「えっと…、藤倉…さん?」
「藤倉さんは、ねぇぞ、」
「うん、翼…」
「ふっ…。ちゃんと名前で呼べよ?」
今日は、休みだし、初デートって事で
出かけるか。」

「あっ、私…素っぴんだった…」
「俺は、可愛いと思うけどな」
ゆでダコみてーな顔して。
「あはは!」
「課、ちょ…翼、会社とギャップありすぎです」
「今日から、つぐみの彼氏。わかる」
「はい、一つだけお願いが…。
あんまり、会社で怒鳴らないで…
意地悪言わないって約束して!」
ウルウルの瞳で俺を見る。
反則だろ!
思わず…。
「あっ?それは、べつだよ。まぁ、
これからは、
つぐみにだけ、優しくする」
と。頭ぽんぽんしてくしゃっと笑った。
「だーめ!みんなにも!」
「善処する」
「ホラ、支度して、とっておきの所に
連れてくから。」
「どこ?」「ひみつ」
嬉しかった。
デートなんて
まともにした事なかったから、