「皐月のバカァ!!」
「っ!?」
皐月に思いっきり突進してぶつかり、グラ、と体制を崩して2人とも床に倒れてしまった。
それも私が皐月のお腹の上に乗って覆い被さっている体制で。
「っ、おいっ……っ!」
少し怒った顔をした皐月だけど、それは一瞬。
ガシッと胸倉を掴んで自分の顔に引き寄せる。
皐月の綺麗な、前よりも大人びた顔が視界いっぱいに広がる。
「っんで、なんで…私は…こんなにも皐月が好きなのに…大好きなのにっ、なんでいつも突き放そうとするのっ…!」
ポロポロと止まることを知らないように、私の目から落ちるそれが皐月の顔にかかる。
目の前の顔は、いつもの落ちついた顔が崩れて動揺したように目を見開いている。
「…っ…皐月は私のこと嫌い?嫌いなら優しくしないでよ!そうやって皐月は……いつもいつも私を突き放してっ……なのに突然期待することして……私の心かき乱してばっかでっ……」
「皐月はっ、いつも近づいたと思ったら放れてくっ……。嫌いならそんな中途半端なことしないでよぉっ……」
いつも私ばっかり追いかけて。
いつも皐月は待ってくれなくて。
追いつけたと思ったらまた離されて。
「…っ、苦しいよ」
「……」
「皐月のことばっかり浮かんで、考えて、消えてくれないんだよっ……」
ギュッと顔を皐月のシャツに押し付けながら、震える声で絞り出す。


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