紫苑 -SHION-




[棗side]



シーンと重い空気が私を取り囲む。



目の前には面倒くさそうに顔を歪めた皐月。



ずっと、ずっと好きだった。


好きで、好きで、追いかけてきた。



冷たくされても強がって、でも、もう無理かもと思った時に紫苑が私のことなんかにあんなにも必死になってくれた。



私、いい友達持ったなあ……。



だから、伝えなきゃ。


紫苑の為にも、自分の為にも伝えなきゃ。



どんな形になっても、もうこれが最後。


どんな結果になってもこれで追いかけるのは止めるから。




「皐月……」


壁にもたれる皐月に声をかけると、目が合った。


それだけでドキッと胸が鳴る。



「……」


「私のこと鬱陶しかった……?」


「……」



昼休みの先輩達の言葉。


絶対に鬱陶しい、迷惑って言われると思ってた。



でも……。



『俺がいつ迷惑だって言った?』



私、少しでも期待してしまった。


もしかして…って思ってしまった。



「……鬱陶しい」


「…っ、」



……そんなはず、なかったのにね。