紫苑 -SHION-




「失礼します」



朝早くに鞄と学ランが入った紙袋を手に、職員室に図書室の鍵を借りようと入る。



「おー、木崎、こんな朝早くからどうした?」



入るとすぐに担任の浜田先生によ、と声をかけられ、おはようございます、と頭を下げる。



「あの、図書室の鍵を借りたいんですけど……」


「おー、図書室な。ほれ」


「ありがとうございます」



鍵を受け取ると、図書室、と書かれた部分がふいに目に入って、首を傾ける。



「先生、第ニ図書室ってことは第一もあるんですか?」



‘‘第ニ図書室”の第ニが気になった私は、先生に聞いてみると、



「あー、第一はな、昔からあるからか古いし、第ニ図書室ができてからは誰も立ち入らないからな」



古い…という言葉に昨日行った図書室を思い出す。



そういえば、よく思えば古かったような……。


ところどころに埃があったし……。



「先生、その第一図書室ってどこにあるんですか?」


「ん?あー、本校舎とは別棟のところだけど?もうあんまり使われてないけど」



ビンゴ。


その言葉に私が昨日言った図書室は第一図書室だと確信した。



「あの、私、第一図書室の方に行きたいんです」


「え!?そうなのか?でも、鍵無いんだよなー……」


「え?」


「なんか、いつの間にかなくなってたっぽいんだよ。まあ、誰も使わないし、いつも鍵かかってるみたいだしいいか、みたいになっててな」



そ、それは学校の管理としてはどうなのかな……。