紫苑 -SHION-





「な、何なのよ、こいつ!」


「いいじゃん、もう行こ!」




先輩達がトイレから出て行こうとする。




「あっ、ちょっ……」



待ってください、と先輩達を追いかけてトイレから出ると、




「あ……」



「よお」




達己が私に気づいて手を上げる。



トイレから出ると、晴達が先輩達の目の前に立っていて、先輩達は驚いて目を見開いている。




「皐月……」



私の後を追いかけて出てきた棗ちゃんも、突然のその光景に驚く。




晴が私のところに近づき、




「……大丈夫か?」




叩かれた頬にソッと手を添えられ、ビクッと肩が上がった。





「……血、出てる」



「大丈夫だよ……」




親指で優しく血を拭われる。





「……ぶっ殺す」



先輩達をギロッと睨み、低い声を出した晴に目を見開く。




「あーあ、先輩方、やっちゃったね」




晴を見て、先輩達を見て苦笑いを浮かべる湊君。




「やっべー、最高に面白えな。お前ら、感謝するわ」




クックッとこの状況を作り出した先輩達にそう言った達己。



……絶対、楽しんでる。





先輩達はカタカタと体を寄せ合いながら震えていて。




「……お前ら何」



皐月が口を開く。