紫苑 -SHION-




それからは家に帰って用事をすませて、学ランにアイロンをあてた。



綺麗に皺が取れていくのを見ながら、明日のことを考える。




学ラン……返さなきゃいけないんだけど、来るなって言われたし、どうしよう。




でも、学ランがなかったら困るだろうし、私もこのまま持っておくのは困るし……。



「……よし」



やっぱり明日の朝、返しに行こう。



あの茶髪の人に会わなかったら大丈夫だろうし、それからは図書室に行かなかったらいいよね。



……図書室に行けなくなるのはちょっと…ううん、かなり残念だけど。

学校での楽しみが一つ、なくなるんだもん。




……あれ?

でも、なんで図書室に行ったらいけないんだろう?



頭の中で一つの疑問が生まれたけれど、いくら考えたってわかるわけがない。




「…できた」



アイロンを置き、綺麗になった学ランをハンガーにかける。




とりあえず、明日、忘れないように持って行こう。