紫苑 -SHION-





「女の嫉妬っつーのは怖えんだよ」


「……?」


「あとは自分で考えろ」




そうじゃねえと面白くねえだろ?と達己がニッと笑う。




「いざとなったらあいつも動くしな」



そして、小さく呟いた言葉に私は首を傾げることしかできなかった。




女の子の嫉妬ってそんなに怖いの?


全然想像できないけどなあ……。


うーん、と首を捻っていると、




「……ん」



目の前に差し出された紙パックのフルーツオレ。




「…くれるの?」


「ああ」


「ありがとう……へっ…!?」




優しいなあ、と笑顔で晴を見て、入ってきた光景に目を見張る。




「何だ?」



本人はどうしたのか、というように私を見ているけれど、それを見て驚かないのがおかしい。





「もしかしてその袋の中……」



鞄の中に入った袋の中の淡いオレンジ色のパッケージが大量に見えるものを指差す。





「……?フルーツオレ」



……ですよね。





「す、すごいね……」



フルーツオレが好きなのは知ってるけど、まさかそこまでだとは思わなかった。





「なんだ、初めて見んのか?晴はいつもフルーツオレ持ってっぞ」


「ここまできたら中毒だよねえ」





「……フルーツオレなしじゃ生きられない」




……まさかのフルーツオレ信者。





「あ、愛が強いね……」



「安心しろ、これがフルーツオレに対する晴の普通だ。お前、晴からフルーツオレもらうなんてすげえことだぞ」



「そうなんだ……」



さっきもらったフルーツオレを見る。




「……」


どう見てもただのフルーツオレにしか見えなかった。