「ほんとバカだよなー」
頬杖をつきながら、クスクスと笑う湊君。
あれから棗ちゃんは湊君にクラスを教えてもらって、ありがと!とバタバタと教室を出て行った。
私も知らなかったんだけど、晴達3人のクラスは3組らしい。
「湊君は棗ちゃんが強がってるって思うんだよね?」
「え?うん、そうだよ」
確かに思えばそうかもしれない。
冷たくされてもなお何度も追いかけるのは、簡単にできることじゃない。
よほどの勇気がいるんだ……。
「強がってなきゃ、やっていけないんだろうねえ」
「……」
「棗と皐月って俺らと会う前から一緒みたいでさ、所謂幼馴染ってやつかな。棗はずっと片想いしてるから簡単に諦め切れないんだよ」
「……でも、どうして皐月はあんな態度取ってるの?」
皐月のことだから、棗ちゃんの気持ちに気づいてないわけがない。
もし、気持ちに答えられないとしてもあんな冷たい態度を取るものなのかな?
「……あの2人にも色々あるからなあ」
それは、私の知らないこと。
踏み出せないライン。
「本当は皐月も棗のこと大切に想ってるんだよ」
「そっか……」
「まあ、だからって、皐月のあの態度はダメだけど」
苦笑いを浮かべた湊君。
「棗のあの強がりもいつまで続くか……」
ポツリ、と呟かれた言葉。
それは、湊君が棗ちゃんのことを心配に思っていることがよくわかる。


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