「つーことで、俺らは図書室に行くか!」
「達己は軽すぎると思うけどね」
「うっせえ。お前がこうしたんだろーが」
「まさか、ここまでだとは思わなかったから」
「まあ…あれはどっちかっつーと皐月が問題だな」
いったい2人の間には何があったんだろう。
知りたいけど、踏み込んだらいけないラインがあるよね……。
それに晴も達己も棗と知り合いなんだ。
どういう関係なんだろう?
「そうだ、紫苑。お前、棗のこと知ってたのかよ」
「あ、今日体育の時に話して……」
「ふーん。棗、うっせえだろ?」
「明るくて一緒にいて楽しかった」
思わず笑顔になると、
「……良かったな」
晴がフッと笑ってそう言ってくれた。
「うん……」
そういえば私……みんなのこと全然知らないなあ……。
知りたいけど、どこまで踏み込んでいいのかわからない。
初めて女の子の友達ができた日、皐月と棗の関係に触れた日、みんなのことをもっと知りたいと思った日。
少しだけ、私の何かが変わったような気がした。