「……やっぱこうなったか」



少しの沈黙の中、達己が皐月が出て行ったドアを見て、やれやれと笑った。




「……湊」



晴が私の隣を見る。




「予想はしてたけど…ごめん」



3人のこうなるとわかっていたような口ぶりは何……?




「棗ちゃん……?」



静かに棗ちゃんの後ろから声をかけてみる。




「あ、あはは。みんな、ごめんね。私のせいでこんな雰囲気にしちゃって」




棗ちゃんは振り返って、片手を頭の後ろに当てて笑う。




「棗ちゃ……」



「……私も少なからずこうなるってわかってたはずなのにね……」



泣きそうな笑顔に言葉が詰まる。




「…湊」



「何?」



「ごめんね」



「別に気にしてないよ」



「ありがと……じゃあ、私、帰るね!今日は本当にごめん!」



「あっ…」




そう言って棗ちゃんは最後まで無理して笑いながら、教室から出て行った。




何にもできずに棗ちゃんが出て行ったドアを見つめていると、ポンと頭に重みがかかる。





「……気にすんな」



「晴……」



いつの間に立ったのか、私の隣でそう呟く。




でも……。




「ああいうのはどうせ自分達でどうにかしなきゃいけねーんだよ」




達己も私の隣にいて、ニッと笑う。