紫苑 -SHION-




「湊!紫苑!早く行こう!」


「棗ちゃん……」


「棗、早いね……」



6時限目のチャイムが鳴って挨拶を終えると教室のドアが開いて、棗ちゃんが入ってきた。




「早く皐月に会いたいもん!1年ぶりかあ……どんな風になってるんだろ」




フフッと笑った棗ちゃんの顔は本当に楽しみにしてるのがわかる。




「じゃあ、行こっか」


「うん」


「早く早く!」




教科書類を鞄にしまい、私達は教室を出た。




「湊君、行くのはいつもの場所?」



「ううん。空き教室だよ。皐月に連絡入れといたから」




「そっか」



図書室ではないことに不思議に思いながら、湊君の後を棗ちゃんと着いて行く。





「着いたよ」


そして、一つの空き教室の前で足を止めた。




中から達己の声が聞こえてくる。



まさか……達己と晴もいるんじゃ……。



そんなことを考えていると、湊君がガラッとドアを開けた。



「お、やっと来たか」



やっぱり……。


教室の中には既に晴、達己、皐月が椅子に座っていた。



達己にいたっては足を机に乗せて偉そうにしていて、机が可哀想に思える。




「わざわざここに呼んだ理由は何?」



腕を組んだ皐月が口を開いた瞬間。