紫苑 -SHION-






ん…?ちょっと待って。



「……皐月?」


皐月ってあの皐月?


私が知ってる、茶髪の……?




「紫苑ちゃんが考えてる皐月で合ってるよ」



考えていることがわかったのか、湊君が教えてくれた。





「そうだったんだ……」


そっか……棗ちゃんは皐月が……。




「え!?紫苑、皐月のこと知ってるの!?」


「うん…まあ……」


「何で!?どこで!?」


「えと……それは……」




あの図書室のことはたぶん言ったらいけないと思うし……。



どうしよう……っと困惑していると、湊君が助け船を出してくれた。




「そんなこと別にいいから。皐月の所連れていけばいいんだろ?」



「本当!?さすが湊、話がわかる!」




喜ぶ棗ちゃんに湊君はハア、とため息を吐いて、




「俺は知らないよ……」



聞こえないようにボソリと呟いた言葉に、私も棗ちゃんも気づかなかった。