紫苑 -SHION-




なんて、勇気を踏み出したのはいいけど。



「ん?どうかした?」



そうだ……私、湊君と食べてたんだ!



そうだよ、すっかり忘れてた……。

ごめん、湊君……。




「紫苑ちゃん?」


「あ、湊君、あのっ……」



とりあえず伝えなきゃ……と思い、湊君をバッと見た時。




「しおーん!」



棗ちゃんがドアから笑顔でお弁当を持って入ってきた。




ああ、来ちゃった……!



湊君もその声に反応して、顔を向ける。




「あのっ、棗ちゃっ……」





「あれ?湊!?」


「棗!?」



え?な、何……?




棗ちゃんに声をかけようとした途端、棗ちゃんと湊君が顔を合わせて驚く。





「棗、何でここに…」



「あんた!私にどこの高校行くか教えてくれなかったから大変だったんだよ!」



「そんなの仕方ないじゃん」



「わかってるよ、話すなって言われたんでしょ!」



「だから、そう何回も言ったよ」




戸惑う私を置いて、2人の会話はドンドン進む。



周りも興味深そうにこちらを見ている。