「えと…ありがとう?シャンプーは……」
「あ!てか、一緒に組もうよ!」
コロコロ話が変わる子だなあ、と思いながら、誘ってもらえた嬉しさに思わず笑みが零れる。
「うん!」
「良かった。えと……紫苑ね!私は久下棗(ヒサシタ ナツメ)」
私の体操服の袖に書かれた名前を見ながら言ってくれた名前に、嬉しさが溢れる。
「じゃあ、ストレッチしよっか。私、この高校に中学の友達いなくて、柄にもなくちょっと緊張してまだ友達いなかったの」
「私もいなかったから嬉しい……」
座って足を伸ばす棗ちゃんにえへへ、と笑うと、
「何それ、可愛い!」
顔を振り向かせて、印象的な猫目の目を細めて笑ってくれた。
「ねえねえ、紫苑は好きな人いる?」
昨日も聞かれた質問。
でも、憧れの女の子同士での恋バナができると思ったらすごく嬉しい。
「いないよ」
「えー、意外。いそうな感じなのに」
そんな雰囲気あるのかな?
「棗ちゃんは?」
「私?私はねー、えへへ」
なんて、上を向いて私の顔を見て紅潮させた頰がぷっくりと浮かぶ。
……可愛い。