「じゃあ、今から二人一組になってストレッチなー。それからパスしてもらうぞ」
どうしよう……。
私、一緒に組める友達いないんだけどな……。
4時限目の授業、体育。
今まではレクレーションだったから何もなかった
けど、競技に入った途端ペアを作れって。
「一緒にやろー」
「うん!よろしく」
周りはどんどんとペアになっていって慌てる。
体育の授業は女子と男子は別れるから、湊君もいないし……。
クラスメイトの女の子達はたぶん相手してくれない。でも、他のクラスに友達なんかいないし……。
おどおどと何もできずにいると、
「ねえ!」
「っ!」
「ぶっ!」
声をかけられて驚いたからか、勢い良く振り返ってしまって、ポニーテールにしていた髪の毛がその子の顔に当たってしまった。
「!!っ、あ、ご、ごめんなさい!」
慌てて頭を下げると、その子は髪の毛が当たった顔を撫でながら、もう片方の手を横に振る。
「大丈夫、大丈夫!にしても、綺麗な髪してるねー。それどこの?どこのシャンプー使ってる?」
ニッと白い歯を見せて笑ったその子は、肩あたりの茶髪のショートで活発そうな感じ……というか、活発。