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ガラッ


静かな図書室に1人の男が入ってきた。


黒髪を無造作に整え、綺麗な顔立ちをした男は、その容姿で人々を惹きつける魅力がある。




迷わずにその足が図書室の一番奥に向かうと、男はピタッと足を止めた。




「……」



綺麗な切れ長の二重の黒い瞳に映るのは、ソファにもたれ、手に本を持ったまま眠る女の子。



白い肌に長い睫毛とふわふわのロングの黒髪が映える。



男は止めていた足を踏み出し、体を少し屈めて、綺麗な手を女の頬に伸ばした。



「ん……」



くすぐったそうに身をよじらした女に、男は手を除け、着ていた制服の上着を脱いで女にソッとかける。




「……見つけた」



男は少しだけ微笑み、女に背を向けて図書室を出て行った。