「紫苑、晴が呼び捨てなら俺も達己でいいから」
「え、でもそれは…」
座った途端、隣からかけられた言葉に戸惑う。
この人はいつも発言が突然で驚かされる。
「何?晴はいいのに俺はダメなのかよ?」
「いえ、そういうんじゃないですけど……」
やっぱり先輩って遠慮するっていうか、何て言うか……。
「敬語」
「あ…」
また指摘されて気づく。
「じゃあ、この際みんな呼び捨てでいいじゃん」
な?と笑った湊君。
チッ、と左隣の達己さんと反対の右隣から舌打ちが聞こえてきた気がしたけど気のせいかな?
「おー、じゃあ、紫苑、言ってみろ」
「えと…」
「…達己さあ、その命令口調止めなよ」
「は?元からこうだから今更言われてもなあ?」
笑ってこちらを見るけれど、昨日初めて会ったばかりの私に言われても……。
「おら、紫苑言ってみろよ?」
クイッと顎を掴まれ、持ち上げられる。
「……!?」
ななな!?何これ!?
「おー、顔真っ赤」
ニッと笑う達己さんの顔がとても近くて、どんどんと顔に熱が集まってくる。


![[特別版]最強姫〜蘭蝶と白虎に愛されて〜](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.794/img/book/genre1.png)