「紫苑ちゃんは本当、可愛いねえ」
「へっ……!?」
突然恥ずかしげもなくサラッとそんな言葉を言う湊君に、目を見開く。
「な、可愛くなんかっ……」
ブワッと赤くなった顔をブンブンと横に振ると、フッと湊君が笑った。
「純粋すぎるっていうかねー…」
「そんなこと……」
ない、と言おうとしたけれど、
「…っ…」
膝に腕をのせて頬杖をついた湊君の視線がすごく柔らかくて、思わず口を閉じてしまった。
「ん?」
笑ってコテン、と首を傾けた湊君の顔が直視できない。
……うう…なんでそんな顔するんだろう……?
「あの……」
あんまりこっち見ないで……と口を開いた瞬間。
湊君の頬杖をついた手首に綺麗な革のブレスレットがつけられていて、視線がそちらへ行ってしまった。
「どうかした?」
「あ、ううん……そのブレスレット素敵だね……」
「あー…これ?んー、まあね。ありがとう」
革のブレスレットを少しだけ触る湊君の顔がまた柔らかくなる。
「……?」
大事な物なのかな?


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