紫苑 -SHION-




「っぶ!」



…ぶ?




「ぶわはははは!」




いきなり後ろにいた達己さんが笑い出したことにええ!?と驚き、振り向いたことで、晴さんとの視線が外れた。




「やっべ、マジ面白え」




ギャハハハハと笑う達己さんに困惑していると、皐月さんと湊はこんな達己さんに慣れているのか無視状態。




「あー、こいつちょっと笑いのツボおかしいから放っといていいよ」


「あ、うん…」




湊君はうるさそうに耳を塞ぎ、私に声をかけてくれて。



笑いまくる達己さんに暑苦しいという感じに、皐月さんはハア、とため息を吐いて怪訝そうに見ている。




達己さんってまともなのか変なのか、よくわからない人だ。





「あー、面白え」


「……時々お前の笑いのツボが正常なのか疑問だな」



「いや、これはどう見ても正常じゃないでしょ」



「うっせーな。いいじゃねえか、俺にとっちゃ面白えんだから」




落ち着いた達己さんが皐月さんと湊君と話し出す。



その様子を見ていると、ふと視線を感じて横を見ると、



「…っ…」



ジッとこちらを見ていた晴さんとまた目が合ってしまった。



この人の目からは何故だか簡単に逸らすことができない。




「さん、いらない。晴でいい」


「え、それは……」



「晴」


「……う…」




「…紫苑」


「…!」



名前を呼ばれてドクン、と心臓が跳ねる。


……目を、逸らせない。




「……は、る」


「うん」


「晴」


「ん」



嬉しそうに笑う晴に対して私はもうキャパオーバー。



ボンッと頭から湯気が出るほど顔が真っ赤になり、もう限界!と思って慌てて視線を外した。