「よお、さっきぶりだな」
私達より先に図書室に入ってくつろぐ達己さんは手をあげて、まあ、座れ、とあごで隣を指す。
「えっと……」
できれば湊君の隣の方がまだ安心できるんだけど、湊君はすでに皐月さんの横に座っていて、空いているのは晴さんか達己さんの隣。
達己さんはさっきのこともあって少し警戒しているせいもあってか、少し躊躇ってしまう。
けれど、せっかく隣を空けてくれてるんだから座らないわけもいかず、
「……ありがとうございます」
お礼を言って、遠慮がちに隣に座らせてもらった。
すると、私が座るのを待っていたかのように湊君が口を開いた。
「紫苑ちゃん、もう知ってるかもしれないけど一応もう一回言っとくね。
俺は西園寺湊(サイオンジ ミナト)
で、俺の隣が……」
ほら、という風に湊君に腕で催促された隣の茶髪の人は、私をチラッと見て面倒くさそうに、
「……桐生皐月(キリュウ サツキ)」
ボソリと呟き、またすぐに雑誌に目線を戻してしまった。
「あ?何?俺か?」
隣に視線を送ってみるとすぐに気づいた金髪の人は、私の髪の毛を一房取ってクルクルと自身の人差し指に巻き付けながら、
「篠岡達己(シノオカ タツキ)。俺は退屈なのと面倒くせえのが嫌いだ、覚えとけ」
と笑った。
か、かかか髪っ……!
くるくると私の髪を弄ぶ達己さんに頰が赤くなり、あわわと困惑する。
どどどどうしたら……っ…。
「……達己」
右側から低い声が聞こえ、ビクッと肩が上がる。


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