紫苑 -SHION-



「み、湊君……」



「んー?何?」



「やっぱり無理、かも…」



放課後、第一図書室に向かう湊君の少し後ろを歩くけれど、足が重くてついに足を止めてしまった。




あの人達に会うと思うと……ちょっと怖いなあ。



湊君は私の少し前で立ち止まって、振り向く。




「無理じゃないってば。大丈夫、大丈夫」



いや、私は大丈夫じゃないんだけど……。




「みんないい奴らだよ」



そうなのかな……?


晴さんは無口だけれど優しそうな人だったけど、皐月さんは……。


ごめんなさい、正直言うと第一印象が怖かったです。





金髪の人は……、あ。



「湊君、金髪の人って名前何て言うの?」




そういえば名前知らなかったと思い、湊君に聞いてみると、



「ああ、あいつは達己。いろいろちょっかいかけられると思うけど、まあたぶん大丈夫だよ」



「……」



ごめんなさい、もっと大丈夫じゃなくなりました。




それに……。



「あの、あと一つ……」



「あと一つ?質問?」



「えと……図書室の鍵は誰が持ってるの?……何で持ってるの?」



「……」



あ、あれ……?もしかしたら聞いちゃいけないことだったのかな?



黙る湊君の背中に声をかけようと口を開いた瞬間。




「質問、あと1つって言ったのに2つになってるよ」



「え?あ……」



ニコッと可愛らしい笑顔で振り向いた湊君は、思わず声を零した私にクスッと笑ってまた前を向いて歩き出した。