お弁当を食べ終え、もらったメロンパンの口を開け、パクっとかじる。
んー、美味しい。
「……そういえば、昨日の人達とどういう関係なの?」
スマホをいじりながら、頬杖をつく湊君に疑問をぶつける。
「あー、幼なじみってやつかな?俺だけ一つ下なんだけどね」
「へえ……」
じゃあ、あの人達は2年生なんだ。
確かに大人っぽかったなあ。
「そういえば、紫苑ちゃんって前に晴と会ったことある?」
「え……」
晴ってあの黒髪の人だよね……?
あんな綺麗な人、会ったら忘れないと思うんだけど……。
うーん、と首を捻るけれど、やっぱり覚えがなくて、
「ないと思う……でも……」
「ん?」
「……ううん、何でもない」
ふるふると首を振って小さく笑うと、湊君はそう?っと少しだけ残念そうだった。