「ふーん、それで紫苑がこいつの勉強見てるってわけ」
スマホのゲームで遊びながら、納得したように呟く達己。
「そういえば、お前数学だけ破滅的なんだよなー」
「達己、うるさい!だから、こうやって勉強してるの!」
クックッと笑う金髪に棗ちゃんの手が落ちた。
「いって!!ふざけんなよ!」
あの……
「達己がいけないんだから!」
盛り上がってるところ、申し訳ないんだけど、
「ああ?んだと?」
勉強を………。
「……いい加減にしろ」
「いて!」
「いたっ!」
どうしようか困っていると、いつの間にか立ち上がっていた皐月が、読んでいた雑誌で2人の頭を叩いた。
「達己、お前は邪魔するなら帰れ」
「チッ」
「棗、お前もだ。教えてもらってるのに困らせることしてんじゃねえよ。勉強する気がないならお前も帰れ」
「う…ごめんなさい」
「謝る相手が違う」
皐月の言葉にくるりとこちらを向いた棗ちゃんは、
「紫苑、ごめんね!私、ちゃんとやるから」
シャーペンを取って、問題集を解き出した。