【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜


私がそれを話すと、静香さんは少し感激したような表情でありがとうと言って笑ってくれた。


そしてしみじみと語り始める。



「…琉衣はねぇ、不器用な子なのよ。

俊とは正反対でしょう?

でもあれはあの子なりのアピールなのよ」


「えっ…」



アピール…?



「うちはパパが小さい頃から俊を後継ぎとして育てたの。

たぶん…琉衣はそれが悔しかったのよね。

長男ってだけで一目置かれる俊に対する対抗意識がすごかった。

おかげで一時は色々ヤンチャもしてくれたわ〜。

今はだいぶ落ち着いたほうだけど(笑)」



それを聞いてハッとする。


そうなんだ…。


俊介さんと琉衣くんのあの性格の違いはそこから?


知らなかった…。


でも今のを聞いてすべて謎が解けたみたいに納得できる。



「そ、そうだったんですか…」


「そうよ〜。

だから琉衣は俺は絶対料理なんかやらないって言い張ってね。

でもベーカリーの畑さんが琉衣をすごく可愛がってくれてたのよ。

琉衣もパパより畑さんには懐いてね。

…そのおかげかしら?

いつからかパンを手伝うようになったのよねぇ」


「へぇ……」