「琉衣くん家ってあのレストランMiyakawaなんでしょ?有名な。

将来は一流シェフ?カッコイイ〜♡

やっぱ料理上手かったりするのかなー?」



麻実が琉衣くんのうしろ姿を見ながらつぶやく。


麻実の言うとおり、琉衣くんはこの辺じゃ有名な超人気レストランのオーナーの息子で、知らない人はいない。


琉衣くんのお父さんは他にもいくつかお店を経営していて、そのどれもが人気店っていうやり手っぷり。


うちは小さなお店だから、ちょっと羨ましかったりもするけど…。



でもそれよりあたしはいつも彼の髪の毛からバターの香りがするのが密かに気になってる。


琉衣くんはもしかしてあたしみたくパンを作ってるんじゃないかって思うくらい。

勝手な想像だけどね……。



「イケメンでスポーツ万能、そのうえ親が金持ちとかいいよね〜。

まさにサラブレッドって感じ?

いいなぁ〜、一度でいいからあんなイケメンと付き合ってみたい!

亜里沙もそう思わない?」