【完】俺の言うこと聞けよ。〜イジワルな彼と秘密の同居〜


***

土日の1日シフトは相変わらずハードで、すごく慌ただしかった。


だけど今日を終えたら、もう来週には私はここにいない。


そう思ったらなんだか何か惜しむような気持ちで仕事に身が入る。


おかげであまり大きなミスもなく、順調にこなすことができた。



「おい、さ…木下、」



琉衣くんは相変わらず沙良さんを苗字で呼ぶ。


やっぱりわざとらしいけど…。


何度間違えそうになっても名前では決して呼ばないんだから、よっぽど気をつけてるんだろう。



ちょうどその時琉衣くんと沙良さんは一緒に隣で作業をしていた。


琉衣くんが生地をカットして、沙良さんが丸め。


沙良さんは無言で黙々と作業する琉衣くんに色々と話しかける。



「あの新作のパン琉衣が考えたの?」


「んー、まぁ…」


「へぇ〜、さすがだね。

相変わらずセンスあるじゃん。

畑さん褒めてたよ」


「…べつに。思いつきだろ」



二人が話してるのを見るとやっぱり気になる。


仕事中の二人は息が合ってるから。


そのたびにどうしても気が散りそうになった。



ダメダメ…気にしちゃ。



「あーりーさーちゃんっ!」


「ひゃっ…!」