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土日の1日シフトは相変わらずハードで、すごく慌ただしかった。
だけど今日を終えたら、もう来週には私はここにいない。
そう思ったらなんだか何か惜しむような気持ちで仕事に身が入る。
おかげであまり大きなミスもなく、順調にこなすことができた。
「おい、さ…木下、」
琉衣くんは相変わらず沙良さんを苗字で呼ぶ。
やっぱりわざとらしいけど…。
何度間違えそうになっても名前では決して呼ばないんだから、よっぽど気をつけてるんだろう。
ちょうどその時琉衣くんと沙良さんは一緒に隣で作業をしていた。
琉衣くんが生地をカットして、沙良さんが丸め。
沙良さんは無言で黙々と作業する琉衣くんに色々と話しかける。
「あの新作のパン琉衣が考えたの?」
「んー、まぁ…」
「へぇ〜、さすがだね。
相変わらずセンスあるじゃん。
畑さん褒めてたよ」
「…べつに。思いつきだろ」
二人が話してるのを見るとやっぱり気になる。
仕事中の二人は息が合ってるから。
そのたびにどうしても気が散りそうになった。
ダメダメ…気にしちゃ。
「あーりーさーちゃんっ!」
「ひゃっ…!」



