なんだかその場にいるのが辛くなって、思わず先にゴミを捨てにベーカリーを出た。
裏口から外に出てゴミ置場に放り込む。
よからぬ想像ばかり膨らんで。
急に自分の居場所がなくなったような気持ち。
琉衣くんが沙良さんを呼び捨てで呼んだことが、なぜかものすごくショックだった。
まるで特別な人みたいな。
”特別だった”みたいな…。
そんなふうに聞こえて。
「おっと、どうした?亜里沙ちゃん」
バタン、と裏口のドアを閉めて中に入ると、聞き覚えのある声がした。
誰かと思えば久しぶりに顔を合わせた小川さん。
悪い意味で少しドキッとした。
「…あ、お久しぶりです」



