こういう何気ない会話もたくさんできるようになった。
なに話していいかわからなかった頃が懐かしい。
琉衣くんは無口そうに見えて、意外とよく喋る。
私は人の話を聞いてるほうが好きなので、彼の話すお店の出来事ネタや料理ネタを色々と聞けて嬉しかった。
だけど…
「そういえば、畑さんがまたベーカリーの人増やすって…」
「あぁ、言ってた」
「辞めちゃった女の子に声かけてるって聞いたけど…本当かな?」
「…はっ、ウソだろ??」
「ほら、来月さらに私も抜けるから、その穴を埋められるのはやっぱり彼女しかいないって…。
優秀な人だったんだってね」
「……」
琉衣くんは急に喋らなくなった。
この話をふった途端に。
考え込んだような表情にドキッとしてしまう。
「…覚えてない」
「えっ…」



