それは意外なセリフ…。
あれ……?
怒ってない…??
どうして……
「負けたわ、お前には…。
お前のパンへの気持ちに負けた」
「えっ…」
どきん…。
琉衣くんがまさかそんなことを言うなんて思わなかった。
おそるおそる琉衣くんを見上げる。
すぐ近い距離で、目が合う。
「ホント変な女」
そう言い放った顔は、少し笑っていた。
呆れたような、でもどこかすがすがしいような、
優しい顔…。
私はなんだか胸がじわりと熱くなって、ドキドキした。
琉衣くんは、わかってくれた。
私が必死で琉衣くんを止めた理由を。
それはきっと私たちが、同じ気持ちを持った者同士だから。
パンが大好きだって気持ち…。
パン作りを愛する気持ち…。
私の気持ち、琉衣くんに伝わった。
琉衣くんは私の言葉をちゃんと受け止めてくれたんだ。



