「そんなわけないって!

琉衣くんはなんとなく私にノート借りてるだけだよ」


「でも他に貸してくれそうな女子いくらでもいるじゃない?なんなら同じクラスでさぁ。

それをわざわざ亜里沙に借りるって、かなり意味深でしょ」


「えー…いや、

それはただ……」



一緒に住んでるから…!


なんて言えるわけないけど…。


ホントになんて説明したらいいのかわからないよ。

違うのになぁ…。



「いーなぁ。

あたしもイケメンにノート貸せとか勉強教えてとか言われたいなぁ♡」


「あはは…」



そんな羨ましがられてしまうのもまた複雑なんだけど…。


だからって麻実は「ずるい!」とか怒ったりしないから本当にいい子だと思う。



するとその時だ。



ーードンッ!



私と麻実の会話を遮るかのように現れた手が、目の前の机に乗っかった。


この乱暴な感じはもしかして……



「おい亜里沙、」



やっぱり琉衣くんだ。


噂をすれば……



「あ、琉衣くん…。

なぁに?」


「ここ次ヤバイんだけど。

お前教えろよ」