もっと、君に恋していいですか?

「あ、また2台入って来た。」

「まだまだ余裕そうだな…。」

「さすが卯月さん、伝説のSSマン。」

「マンじゃなくてレディーだろ。」

「いやもう…スゴすぎて…。」

「あ、洗車機に入れた。」

「仕事早っ!」

「あっ、また1台入って来た。」

「たったの10分で何台さばくんだ?あの車も入るぞ。」

「一人で9台…?でも、呼ばない…。」

「余裕なんだな。楽しそうだし任せとくか。」


結局、きっちり10分休憩を取ったスタッフたちは、グラスをシンクに置いて下へ降り、グランドへ戻った。

混雑していたグランドから、薫がちょうど最後の1台を送り出すところだった。

薫はサービスルームの時計で時間を確認した。

「さて、私はそろそろ本社に戻るね。」

「お疲れ様でした!!」

「どんなに忙しくても、スピードくじを忘れないようにね。」

「ハイ!!」